同じ空の下で
教室には誰もいなかった。そうだ。終業式は、直接体育館に集合だった。僕はすぐにまた走り出した。
体育館へと続く廊下の窓から、僕は見覚えある人を見掛けた。あれは……貴田先生だ! 彼女は一人、周りを気にしながらフェンス越しに校内をチラチラと眺めていた。明らかに挙動不審だ。
気になった。終業式なんかどうでもいい気がした。それと何故か、僕の頭に浮かんだのは貴田先生の大きな胸の膨らみだった。
目を閉じ首を振り、邪念を捨て去って、僕は体育館に背を向けて校門へと向かった。
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