真冬のひまわり
…女じゃん。

こっそり若菜の顔を盗み見る。
茫然自失。
先ほどまでのイライラもどこへやら
笑いがこみ上げてくる。
いくらなんでも、
レズでもバイでもない以上
オンナは落とせないもんなぁ――


失望と憤怒が入り交じったような
若菜のしかめっ面を眺めながら
私はくっくっと笑いを漏らしていた。


…ん?しかめっ面…といえば
朝見かけたアイツも凄い顔だったなぁ…。
もしかしたら、アイツも
どこかの学年の転校生だったのかもな…


――まぁ、どうでもいいけど。
…それよりあの顔つきからして
コイツ今日いっぱいは不機嫌だろうなあ…

いけない。思わずため息が…。


それから私は思った通り放課後まで
若菜の愚痴を聞いてやる羽目になった。
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