真冬のひまわり
ジットリとした目で若菜を見る。

「…ほぉー。…で?このなんの特徴もクソもない鞄を河野のだと言い切る根拠はなんざんしょ?」

しばらくきょとんとしていた
若菜だったが、
質問の意図に気づいたらしく
わざとらしい勢いで
両手と首を同時に振った。

「ちょっ、やだなぁー偶然よ、偶然!!朝ちらっと見かけただけだょぉ」

「…ぁそう。知らなかったよ、学年全男子の誕生日と血液型だけじゃなくて鞄の特徴までマークしてるなんて」

嫌みったらしく私が言い放つと、
強烈な上目遣いと、
これまた強烈なパンチをお見舞いされた。

「違うって言ってんでしょ?」


…ぉ、キレた。


コイツからかうの面白いんだよなぁ、と
苦笑気味に笑って、
河野の鞄を拾い上げた。
…来るまで待つのは無理だし、外に出しといてやるとするか…


後ろで拗ねている若菜に
あっかんべーを食らわせてから、
前に向き直ったときだった。




「!?ひっ」
< 14 / 25 >

この作品をシェア

pagetop