真冬のひまわり
「お・ま・た・せぇー♪
ぁ、てんこぉせい?
はっじめましてぇー♪」


甲高い真っ黄色な声で
きゃぴきゃぴとはしゃぐ若菜。

「……」
朝青龍顔負けの不機嫌顔で
黙々と沈黙を貫く私。


ノリのイイ女が男ウケするのは世の常なわけで。

仏頂面女にわざわざ話しかけるハズもなく

誰かさんみたいに大が付くほどの男好きが
好き好んで私の傍にいる
理由なんてないということで。

ブリッコ炸裂な若菜を真ん中に、
彼女を挟むように男二人が立ち
後ろに私1人寂しく追いやられたのは
言うまでもない。

男二人に挟まれた若菜のテンションは
まさにうなぎのぼりで。
上昇する彼女のボイストーンに
反比例するように
音速で堕ちていくテンションと相まって
私は言いようのない倦怠感に
包まれていた。



…ヤロー、そこまでして囲まれたかったか



186強の河野。

 160弱の若菜。

180(推定)のヤツ。




人間M字を描くヤツ等の後頭部に向かって
人知れず呪詛を吐いたのは


…内緒。
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