真冬のひまわり
ぱちんと弾けて割れたのは

あたしたちの関係だけじゃなくて


ただでさえ弱くて脆い
あたしの心もだったようだ


何も食べず
何も話さず
何をするわけでもなく
ただただ部屋の中に閉じこもって
ぼーっとしていた


全てが無意味に思えて
なんだか全てがどうでもよくて
あたしが生きてる価値なんてあるんだろうかって
妙なことに思い巡らせていた


まるで涙腺が決壊したかのように、
「涙」という滴はいやというほど流れて
噛みちぎった手首が流す
赤い滴を薄めては消えた


「俺を信じて」
「何があっても俺はお前の味方だから」
「ごめん、やっぱお前のことしか考えらんね」
「誰がなんと言おーと、お前だけは渡さねーから」
「心配すんなって、ちゃんとけりつけてくるからよ」
「笑ってる方が可愛いんだから、泣くな」
「愛してる」


――全部、嘘。


真っ赤な…
嘘。
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