真冬のひまわり
第一印象は――あまり良くなかった。

ぱっと見、暗い。
色も黒い。
無駄に背が長くて
それでいて足が短い。
扉にもたれるように立ち、腕を組んで
切れ長の目をギョロギョロさせながら
厚ぼったい唇を真一文字に結んだ
お世辞にもかっこいいとは言えない、そんな人だった


もともと万事に無関心な私だ。

朝っぱらから
えらくぶすっとした奴だなぁとか
見慣れない顔だし、
後輩かなんかだろう、とか考えながら

特に彼を気にとめることもなく
規則的な揺れに合わせるように
小さな寝息をたて始めたのは
それから間もなくのことだった。


ただの通りすがりの同乗者。
でも私達の縁は、そこに留まらなかった。


その日のうちに、
私達は再び会うこととなる―
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