二藍蝶
その声は、私が
聞かせて欲しかった
言葉を囁く。

貴方が、言ってくれた。

『お前に逢いたかった』

私・・・

誰かに必要とされたいの。

貴方は、私が来ない間も
ずっと、私に逢いたいと
願い続け、こんな私を
必要としてくれた。

それが、とっても嬉しい。

貴方は、強く私の手を
握り締める・・・

「アイ
 その可愛い声で 
 何か言ってよ」

何を、言えばいいの?
 
「お前が来るのが
 もう少し遅かったら
 この暑さで、俺
 遣られてたよ
  
 マジな話」

疲れた顔で、貴方は
少年のように笑う。
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