二藍蝶
喉が渇いた私は、飲み物を求め
階段を下りて居間へと向かう。

その途中、聞こえた母の声
に、私は立ち止まる。

「夕食はいいって・・・
 帰り、遅くなるの?」

私の視界は、玄関先で話す
母と芳野の姿を捕らえた。

私は、見つめる・・・

「ああ、イブキに頼まれてる
 設計を、何とか今日中に
 完成させたい」

「昨日、休んだ事が原因?
 
 持ち帰った仕事も全く
 手に付かなかった
 みたいだし・・・」

「違うよ
 煮詰まっただけさ」

「そう・・・」

「じゃあ、行って来る」
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