二藍蝶
「いってらっしゃい」

見つめ合う二人・・・

私は、見つめてる。

その時、芳野は煙草を吸うよう
に、人差し指と中指の指先で
唇の端に二度触れる。

すると母は、その唇に
キスをした。

一瞬の出来事だったけど
それは、とても素敵なキス。

唇が離れると母は少女のように
可愛らしい笑顔を貴方にみせた

いってらっしゃいのキスなんて
小さい頃から見慣れてるはず

それなのに、やっぱり
少しだけ胸が痛いよ。

今も昔も、変わらない
二人の愛・・・

私の胸を痛める。
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