二藍蝶
母の唇を求める、芳野の仕種。

唇に触れる、細く長い指先。

貴方を、どんなに想ってみても
貴方は、私のものにはならない

どんなに好きでも・・・・・・

玄関のドアが閉まる音

私の視界には、もう
二人の姿は映っていない。

ぼーっと立ち尽くす私。

「アイちゃん、おはよう
 こんなところで
 何してるの?」

「あっ、ハナ、おはよう
 びっくりした・・・
 何でもないよ」
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