二藍蝶
「それで、仕事は・・・
 
 ヨシノ、まさか
 終わってないとか
 言わないでしょうね」

「痛いとこ、つくね」

芳野は、私との事は
何も無かったように
母と普段どおりに話す。

私の名を呼ぶ声が
食卓から聞こえる・・・

「アイちゃん
 こっちおいでよ
 お腹すいたでしょう?

 駅前のおいしい
 お弁当屋さんで
 アイちゃんの好きな
 から揚げ弁当
 買って来たよ」

「うん、今行く」

私は、見つめる・・・

芳野と母の姿を。
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