二藍蝶
「アイ、おいで」

芳野が、私を呼ぶ。

躊躇する私・・・

「早く、おいで」

ゆっくりと貴方に近づく
私の手を引き寄せて
その腕に抱きしめる。

芳野の胸はとっても温かくて
私は、安心する。

貴方の大きな手が私の頭を
優しく撫でてくれる。

「アイが泣いた時は
 やっぱり
 ヨシノじゃないとね」

そう、幼い頃から変わらない

私が泣くと芳野はいつも
こうして頭を撫でてくれた。

本当の父親のように・・・

芳野が本当の父親なら
私は、この恋を諦められる?
< 245 / 918 >

この作品をシェア

pagetop