二藍蝶
ううん、私は芳野を
諦めなきゃいけない。

絶対に・・・

どんなに優しくしてくれても
それは大切な娘だから・・・

決して恋人にはなれない。

貴方を諦める為には
貴方から離れた方がいい。

こんなに近くに居ては
きっと、駄目。

誰か
私をここから連れ出して。

私を攫って・・・

『ヨシノ
 貴方が好き
 好きなの・・・』

『ここに居たら苦しくて
 死んじゃうよ』

『ヨシノ・・・

 死ぬほど、好きなの』

遠い昔の、秘色に
そっくりな藍・・・
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