二藍蝶
「アイ」

俺に、手を振りながら
アイは駆けて来る。

俺の元へと息をきらせて
アイは近づく。

「カイリ、早かったね
 真っ暗で・・・
 夜だと寒い
 ・・・・・・
 どうしたの、カイリ
 何かあったの?」

アイの可愛い声・・・

その問いかけに気づくと
俺は、アイを力強く
この腕に抱きしめていた。

車のライトが抱きあう
二人を照らす。

「カイリ・・・?」

見つめ合う、二人。

触れる、唇・・・

俺の口づけを、嫌がる事無く
受け入れるお前は・・・

ほんの少しでも俺を好き?

離れる唇は、問いかける。

「ねえ
 俺のものになってよ?」

俺の言葉に、お前は
驚いた顔をする。

お前は、今
何かを考えている?
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