二藍蝶
そして、もう一度
ドアが閉まる音が響いたと
思ったら、静まり返る室内。

財布を仕舞う、浬。

「カイリ、お金なら
 私も・・・」

私は、鞄の中

財布に触れて取り出す。

「バカ、仕舞えよ
 金、払ってどうすんの?」

財布を持ったままの私。

「だって、この間
 奢ってもらったばっかり
 だよ、悪いよ」

「仕舞えって
 そんなこと気にすんなよ
 
 女に金、出させてまで 
 いい思いしたくねぇ」

「いい思い、するの?」

無知な私を、じっと見つめる
貴方の瞳が変わる。
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