二藍蝶
親父は、望まれて極道になった

でも、俺は・・・望まれない

高月組に、俺の居場所が無い
のなら、俺は・・・・・・

ただひとつ

分からないことがある

それは、亡くなった会澤組長を
慕っているはずの彼が、何故
危めた男の息子を招きたいと
思う・・・腑に落ちない。

『よく、考えて答え出せや』

俺は、答えを探す・・・

ピンク色の敷布団の上に
横たわり、眠る藍。

腕枕をした方の腕が痺れる。

藍を起さないように、ゆっくり
と慎重に、痺れた腕を取る。

「イテ(痛)・・・」

藍は、眠っている・・・

痛む腕を擦った後、俺は
藍に背を向けて、瞳を閉じる
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