二藍蝶
隣に敷かれた、きれいな状態
のままの、水色の敷布団。

伸びる手が触れると
冷たくて、気持ちいい。

背中から、俺にしがみ付く
のは、藍の細い腕。

「カイリ、起きてる?」

「ああ、眠りから覚めたら
 今度は、眠れない」

「そう・・・

 カイリ
 今夜はありがとう
 私の我侭を聞いて
 一緒に居てくれて」

振り返り、その腕に藍を
包み込む。

不安そうに俺を見つめる
藍。

「何が、そんなに
 お前を不安にさせる?

 昨日も、その前も
 ずっと俺は
 お前の傍にいた」
< 377 / 918 >

この作品をシェア

pagetop