二藍蝶
私は、鏡の前
制服を身に纏い、立つ。

長袖のブラウスに、ベスト。

クローゼットの奥に
仕舞われた、夏服の制服。

浬と過した時間は、まるで
夢のようだった。

私は、まだ醒めきらない
夢の途中に漂いながら

カイリ、貴方を想う・・・

「アイちゃん、もう行くの?
 
 その制服
 やっぱり、かわいいね」

「でしょう?」

「アイ、お弁当」

「ありがとう」

「ここから、学校までの距離
 結構あるでしょう?
 
 どう、迷わず行けそう?」
< 389 / 918 >

この作品をシェア

pagetop