二藍蝶
教室を出て行く私に、茉優は
言った。

「貴女なんか友達じゃない
 
 貴女に近づいたのは
 憧れの古矢秘色に会えると
 思ったから、ただそれだけよ
 
 とんだ、誤算だったわ」

茉優の最後の言葉で、私は
目が覚めた。

彼女は最初から、そのつもり
だったんだ。

私は泣きながら、教室を
後にした。

自分のクラスの教室に戻った
私は、鞄に、机の中の教材を
詰め込む。

「サワイさん、次
 視聴覚室になったよ
 サワイさん、どうかした?」

「気分が悪いから
 早退します
 
 そう、先生に伝えて」

私は、鞄を持って教室を出た。
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