二藍蝶
そして、財布から千円札を
取り出し、テーブルに置いた

視線は、ずっと先
一点を、見つめる。

「お金
 ここに置いておきます」

「えっ
 ちょっと、多いわよ?
 おつり・・・」

私はお店の外、辺りを見渡して
あの人の姿を探した。

そして、見つけた・・・

愛しい人の、後姿を。

以前よりも、より一層
明るくなった貴方の髪は
金色に輝く・・・

「カイリ」

貴方は、呼びかけた私の声に
立ち止まったと思ったら
振り返らずに歩き出した。

「カイリ
 カイリなんでしょう?
 待って、ねえ・・・」
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