二藍蝶
「放して、放してください
 私、行かなきゃ・・・」

行かなくちゃ、浬を
見失ってしまう。

また、浬が私の前から
居なくなる。

やっと、逢えたのに
また、消えてしまう・・・

「こちらへ、来て
 話を伺います」

女性警官に手を引かれ、私は
歩道の脇へと連れて行かれる

どんどん、浬との距離が
離れていく。

「嫌、放して、放してったら
 やめてよ
 
 カイリが、行っちゃう
 
 カイリ、お願い
 
 行かないで、イヤー」

叫ぶ声・・・

女性警官の手は、私から離れ
私は、その場にしゃがみ込む

もう、全ては遅い・・・
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