二藍蝶
「待って
 いいの、もう少し
 このままで・・・」

私は、冷たい海に足を
浸したまま空を見上げた。

冷たい温度に触れると
心地よくて、私は
貴方を思い出す。

浬・・・

貴方を想う。

ここは、モデル事務所・・・

社長室に呼ばれた私に
加賀さんは言う。

「アイ、貴女
 仕事は選びなさい

 あんな仕事、受けること
 無かったのに・・・
 
 風邪でも
 引いたらどうするの?」

「別に・・・」

雑誌をペラペラと捲る、藍。
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