二藍蝶
「笑いたくも無いのに
 私は、笑えない

 そんな私は、モデルとしても
 致命的・・・」

「アイったら
 まあ、いいわ
 
 アコちゃん
 アイのスケジュール管理は 
 これからは、私がします」

「はい」

「加賀さん、話はそれだけ?
 私、帰ってもいいですか」

「ええ、今日はオフだったわね
 呼び出してごめんなさい
 もう、いいわよ」

「アイさん、待ってください
 送ります」

足早に事務所を出て行く、私
手を上げて、タクシーに
乗り込んだ。

「アイさん・・・」

事務所の前、立ち尽くす
付き人のアコさんの姿。

アコさん、ごめんなさい・・・

今は、一人になりたいの。

今は、何も考えたくない。
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