二藍蝶
私は、赤信号で停車する
タクシーの車内から窓の外を
見つめた。

賑わう街並み、行き交う人々。

その姿を高い場所から
まるで見守るように掲げられた
大きな看板。

そこに写る、華やかな女性の姿

それは、私の姿だけど・・・
本当の私じゃない。

作られた、私・・・

その写真をどんなに素敵だ
綺麗だと言われても、何も
感じない。

あの頃の私には
これしか、モデルの道しか
無かった。

浬に捨てられた私にとって
現実の世界は、あまりにも
面白みが無くて、つまらない
日々・・・

特に、学校生活は耐え難く
学校のアイドル的存在だった
茉優と大喧嘩した事に寄って
私への、生徒達の中傷は酷く
私の居場所なんて、どこにも
無かった。
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