二藍蝶
洋服を脱いで、露になった
肩、白く細い腕。

浮かび上がる首筋に触れる
浬の冷たい手に、私の体は
ゾクッとなる。

「手・・・
 冷たくて、気持ちいい」

「やめてって言えよ」

「えっ?言わないよ

 言っても、カイリ
 やめてくれないもん」

「ほらっ、早く」

とろけるような眼差し
甘えた瞳で、私にせがむ貴方に
私は、高飛車なまでに高慢に
言ってみせた。

「やめて」

貴方は、私の前に膝を付き
私のお腹に頬を寄せ、両腕
で抱きしめる。

「くすぐったいよ
 カイリ」

貴方は私の手を取り
私は床に膝を付いた。

私達は抱きしめあう。
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