二藍蝶
本当の苦しみ・・・

私は、知らない。

何も、知らないで

私は、浬を求めた。

「愛して、ください
 カイリ」

私は、貴方の愛の全てを
欲するままに、貪欲に
受け入れる。

私達は、ここにまた
ひとつになる。

床に敷かれたシーツの上に
座る私は、汗を掻いた背中
に纏わりつく髪を
両手でまとめて右肩に流した

私の左肩に触れる冷たい手は
背中に回ってしまった
Kのイニシャルネックレスに
触れる。

「捨てなかったのか?」

背中から聞こえる声・・・

私はネックレスを
握り締めた。
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