二藍蝶
蔓延する、煙・・・

貴方は煙草を吸いながら
言った。

「お前の仕事、確か・・・
 あの看板・・・
 
 お前、俺なんかと
 一緒に居ていいのか?」

「何、今更・・・

 貴方こそ
 こんな可愛げ無い女と
 一緒に居てもいいの?」
 
『可愛げないだけじゃねぇ』

「聞いてたのかよ」

「偶然、聞こえたの・・・
 
 どうせ私は可愛くないわよ
 今まで、男性に、もてた事
 なんて一度も無いし
 
 カイリ、貴方以外
 こんな女
 誰も相手してくんない」

「お前・・・
 俺しか知らないのか?」

「知らないよ
 知らなきゃ、ダメなの?」

そこに、16歳の何も知らない
無知な頃の藍が居た。
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