二藍蝶
私の頭を、優しくポンポンと
叩いた浬は、その腕に
私を抱きしめる。

「カイリ?」

「藍、お前は最高に
 可愛い女だよ」

浬の胸に抱かれながら
眠る私は、夢を見た。

夢の中、二頭の蝶々が
楽しげに、花から花へと
舞う姿を見つめている私

『あれ・・・?』

瞬きの間に私は、一頭の
蝶々を見失ってしまう。

辺りを見渡して必死に
探しても、あなたは
どこにもいない・・・

それからの私達は、片時も
離れずに時を過した。

浬の部屋で過していると
誰彼構わず、浬に会いに
来る。

ピンポーン・・・

その度に、奥の部屋で
着衣を身につける私。
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