二藍蝶
「カイリ、来てたのか?」

事務所の異様な空気に
気がついたのは塁だけでは
無かった。

塁の背後から現われた
センは言う。

「何かあったのか?」

センの言葉に、男達は俯く。

「カイリ、どうかしたか?」

「いえ、何も・・・」

「そうか
 お前に大事な話がある
 こっちへ来い」

話の内容は、会澤組組長が
直々に俺に会いたいと言って
くださっているらしい。

「親父がお前と一度
 二人きりで話がしたいらしい
 
 今度、親父直々に
 お前の携帯に連絡が入る
 そのつもりで居ろ?」

「はい
 
 話というのは
 それだけですか?」

「いやっ、今夜
 この後、飲みに行く
 お前も一緒に来い」
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