二藍蝶
ここへ集まっていた仲間も
皆、それぞれに忙しくなり

何も、この場所でわざわざ
集まらなくても、事務所で
いつも顔を合わせ、話す事
ができる環境にある。

もう誰も
この部屋には来ない。

貴方は、この場所で
少年のように声を荒げて
笑うことも無い。

「疲れている・・・」

そう言って

私に触れる事も

甘える事も無い・・・

貴方は、また誰かと
携帯電話で話している。

「はい、はい・・・
 すぐに伺います
 はい・・・」

私は、料理中のガスを止め
エプロンを外し、髪留めを取る

そして、電話で話す浬の前を
通り、白いカーディガンを
羽織った。
< 550 / 918 >

この作品をシェア

pagetop