二藍蝶
私は、泣きながら
荷物をまとめる。

もう、この場所には
居たくない。

二度と、戻らない。

貴方の全てを知れば虚しいだけ

全てなど知らない方が良かった

何も知らなければ、たまに
逢うだけの関係だったならば

こんなにも寂しさを感じなくて
すんだかもしれない。

傍に居るのに、遠くに貴方を
感じることほど辛い事は無い

この場所から一秒でも早く
逃げ出したかった私・・・

私は、浬の一番近くに
あまりにも長く居続けて
しまった為に

離れている時間が
どんなに辛く寂しいのかを
忘れてしまっていた。

別れていた間、あんなにも
貴方を求める私がいたことを
私は、忘れてしまっていた。
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