二藍蝶
その中でも
一番、心に響いたのは
茉優の言葉だった。

「ピー・・・
 
 アイ?

 アンタがいないと
 寂しいよ」

「ピー・・・

 アイ?
 
 どこ行ったの
 戻っておいでよ
 私、待ってるからさ」

私は、もう二度と
浬と暮らしたあの家へ
戻る事は無かった。

この部屋で以前のように
生活を送る。

もちろん、浬に逢いに
行く事も連絡する事も
無かった。

止まったままの
カレンダーを捲る私は
ある事に気づく・・・

浬と暮らした時間は
たった三ヶ月にも満たない。
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