二藍蝶
「何言ってんだよ

 そんなこと言ってたら
 腹の中のガキは
 どんどん大きくなるぞ

 いいのかよ」

塁の言葉に、困り果てる
舎弟。

「それは、困ります
 兄貴、頼みますよ」

煙草を灰皿に捨てる、浬。

「女はいらねえ

 そんなことよりも
 今の俺達には
 やるべき事がある」

「カイリ
 あの話、本気なのか?

 お前、頭は正気かよ
 組を抜けて
 組を作る、そんなこと
 出来る訳がねえ」

「ルイ、最初から
 出来上がっている物に
 俺は何の魅力も感じねえ

 自分達で地盤を固め
 作り上げて
 
 この手に掴んでこそ
 俺達は輝ける

 なあ、セキ?」
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