二藍蝶
「何も・・・

 こんな時代、新しい組を
 作り、名を知らしめた所で
 爪弾きもいいところだ

 しかし、昔からある組なら
 そういう訳にはいかねえ

 入江組は過去、大きすぎた
 所帯の為に内部抗争が
 勃発して、組は内部から
 破壊していった

 そして今は、跡を継ぐものも
 なく、年老いた奴らばかり
 しかし彼らが持っている
 物、信頼は大きい

 表立っていないだけで
 入江組に動かれるのは
 会澤組も高月組も面白くない
 はずだ

 もちろん、他の組もな」

塁は一番聞きたい事を
問いかける。

「カイリ
 お前、高月組と会澤組を
 敵に回すつもりか?」

「敵になるなら
 それも仕方ない

 俺はただ、好きなように
 やりたいだけ
 人の下で生き続けるのは
 息苦しくて堪らない
 
 真っ平、ごめんだ」
< 569 / 918 >

この作品をシェア

pagetop