二藍蝶
「指、持って来いよ
 
 何て、冗談だよ
 ルイ
 
 お前でも、青い顔に
 なるんだな
 
 組をやめて、これから
 どうする?」

センの言葉・・・

「・・・・・・」

口ごもる塁に、センは
何も言わなかったが
帰り際、最後に一言だけ
残した。

「カイリも組を抜けるそうだが
 お前ら、何考えてる?

 馬鹿な事は止せよ
 知ってるだろうが
 会澤組に歯向かって
 この世界
 生きてはいけないからな」

その瞳は、狂気を含む。

塁が憧れた、センの姿だった

「親父、最後にひとつだけ
 聞かせてください

 違っていたらすみません

 貴方は当初、俺からカイリの
 話を聞いた後、カイリを
 会澤組と高月組の抗争の
 為に利用しようと思っていた
 のでは無いのですか?
 
 どうして
 止めたのですか?」
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