二藍蝶
咳きこむ、正二の肩を抱く
千夏。

「あなた
 少し横になりましょう」

正二は、悲しい顔を浮かべた

ここは、浬の実家・・・

通話を切る、庵・・・

「イオリ、カイリがここに
 戻りたいと言ったら
 許してあげてね・・・」

庵は俯き、何も言わない。

「イオリ・・・
 ねえ、カイリは極道を
 止めたんでしょう?

 ねえ?」

菫を強く抱きしめ、庵は
耳元で囁いた。

「馬鹿は死ななきゃ
 直らねえな・・・」

その言葉は、諦めにも
聞こえた・・・

誰もが、願っていたのに・・・
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