二藍蝶
そこに現れたのは
関西弁を話す男。

「組長は、今は留守だが
 何の用だ」

塁は、その男を睨みつける

見詰め合う二人・・・

そこに現れた、この組
きっての凄腕の男、保は
驚いた顔をした。

「お前・・・
 カオル、いつ戻った?」

「親父、ただいま
 祖父ちゃんは死んだん?」

「何を馬鹿なことを・・・」

保は、その男の頭を叩いた。

よくよく話を聞いてみると
その、馨という名の男は
入江組七代目の娘の子供で
保の息子らしい。

「こんな小さな組を継ぐのは
 嫌だと言って、関西に
 逃げた奴が今頃
 なぜ、ここに戻って来た?」

「うるさいなぁ
 
 組長さんに大事な話が
 あるからに決まっとるやろ
 
 そんなことでも無かったら
 こんなところ来るか」
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