二藍蝶
「組長の帰りは遅い

 話とは、何だ?
 この俺が聞く」

塁を見つめて、馨は話し出す

「うちの親父がどうしても
 入江組と兄弟関係を
 結びたいと言うてます

 ほんまは、祖父ちゃんに
 話すつもりやったのに
 
 この度、組長さんが
 代わって
 
 何や、ややこしいなぁ」

保は、言う・・・

「ややこしいのは、お前

 標準語で話せ」

馨は、深い息を吐く。

「これだけは
 言わせてもらう

 関西一の極道からの
 直々の頼みやで

 聞いた方が利口やと
 思うけど・・・

 また明日、出直すわ」
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