二藍蝶
黙ったままの浬・・・

「みんなの気持ちを
 踏み躙ってまで
 手に入れた組長の座は
 どうだ、気持ちいいか?」

「じいちゃん・・・」

「そんな訳ねえか・・・
 お前がしたことは
 許されることじゃない
 
 裏切られたと誰しもに
 思われても仕方ないことを
 お前はした

 壊れた信頼は、もう
 回復できないだろうな

 カナメも、会澤組組長も
 双方のヤクザ共、皆
 お前とその仲間を許さない
 
 もしも、騒動が起これば
 お前の組を
 叩き潰しに行くだろうよ」

揺るぎ無い瞳で、浬は正二を
見つめて言う。
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