二藍蝶
「はい
 覚悟はできています」

その瞳は、憧れた兄
一夜の瞳・・・

「カイリ
 お前は、性格までもが
 イチヤの兄貴、そっくりで
 この俺は、混乱して
 お前に説教することすら
 覚束ねえな・・・」

「じいちゃん・・・」

「そうか
 覚悟はできているか・・・
 
 それなら、もう俺は
 何も言わない
 
 せっかく、イオリの存在が
 抗争の無い、共存できる
 極道社会を作り上げたのに
 お前がそれを壊すとはな

 だが、俺には
 お前の気持ちも分かる

 極道になると決めたなら
 男なら頂点に登りつめたい

 カイリ・・・
 お前が選んだ道だ
 後悔だけはするな」

出て行く浬の背中を見つめる
正二。
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