二藍蝶
「マヒロ、何か用なの?
 どうかした?」

今の茉優には、加賀さんの声
は届いていない・・・

私の頬を勢いよく打とうとした
茉優の手が、頬ギリギリで
止まる。

「アイ、何やってるの?
 やつれた顔して・・・」

ヒロの手が優しく私の頬に
触れた。

「ヒロ・・・ごめん」

ごめん・・・

心配かけてごめん。

喧嘩した時
酷い事を言ってごめん。

貴方が大好きな浬を
奪ってごめん。

私は、今までの全ての
言えなかった思いを込めて
茉優に謝った。
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