二藍蝶
『絶対、カイリには 
 近づかないこと・・・
 あんなに綺麗な男に抱かれて
 夢を魅さされた挙句に
 捨てられたら・・・』

あの時、詰まった言葉を
茉優は続ける。

「・・・
 一生、忘れられなくなる」

「本当、ヒロの言うとおり
 だったよ
 
 ヒロの忠告を聞かずに
 カイリに触れた私は
 彼しか愛せなくなった」

「アイ
 酷なようだけど私はもう一度
 同じ言葉を、貴女に言うわ

 カイリには
 絶対に逢いに行っちゃ
 駄目だよ
 
 トップモデルの夢は
 もうすぐ、貴女の手の中に
 ・・・・・・」

「まだ、分かんないよ
 ヒロ、貴女かもしれない」

「私は、馬鹿じゃないよ・・」
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