二藍蝶
長い廊下・・・

黒く、頑丈なドアの前
鍵を開け、浬は室内へ。

閉まるドア

鍵をかける音が廊下に響く。

浬が戻る場所は、もう
あの場所じゃない。

私は、緊張して震える手で
約三年半ぶりに鍵を開けた。

開かれるドア・・・

そこは、人が暮らしている
温かさ、温もりなど微塵も
感じることできない

冷たい場所・・・

電気が、点く。

懐かしい室内・・・

「ガスも、水も
 止まってないのね」

生活する事はできるけど

貴方は、もうこの場所で
生活をしていない。
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