二藍蝶
微かに聞こえる茉優の
高い声。

「うそ、・イリ

 ・・・何してるの?」

彼女の隣に立つ、背の高い
男性の後姿・・・

彼の手が、彼女の長い髪に
優しく触れる。

私は、その光景を見て
胸がドキドキした。

茉優を見つめる

彼の横顔・・・

電車に揺られながら
私はずっと、その男性の
後姿、横顔を思い出していた。

あの男性は、ヒロの恋人
なのかなぁ・・・?

私の脳裏に浮かぶ
彼女の腕時計・・・

ヒロの腕時計の
持ち主なのかなぁ・・・

彼は・・・誰?

私達は、もうすぐ出会う。
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