二藍蝶
「合鍵、貴方に返すにも
 返せないし、捨てられなくて
 ・・・・・」

「普通、使うか?」

「ごめんなさい
 
 鍵を使ったのは
 今回が初めてで・・・
 
 勝手に、室内に入った事
 勝手に、ベッドで眠った事
 悪いと思ってます・・・」

俯く、私・・・

「もういい・・・
  
 鍵置いて、帰れよ」

浬の冷めた声・・・

浬の冷たい表情を見た私は
貴方から目を叛ける事なく
告げる。

「嫌だって言ったら?」

「出て行ったのはお前だろう
 戻ってくんじゃねえよ」

「戻って来た訳じゃないよ
 ・・・・・・」

戻りたいなんて

思っちゃいけない・・・
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