二藍蝶
あなたを

奪われたりはしない・・・

ベッドに座る、藍の綺麗な背中
に、朝の光が射し白い肌が透け
今にも消えてしまいそうで

俺は慌てて上体を起こし
藍を後ろから抱きしめた。

「カイリ
 びっくりしたぁ」

強く、強く抱きしめる・・・

その腕に、優しく触れる藍。

時計を見つめる、藍。

「カイリ、あの時計
 あってる?」

「ちょっと待って」

携帯電話で時間を
調べてくれる、浬。

「ああ、合ってる」

「そう・・・
 じゃあ、私
 そろそろ、着替えて
 行かなきゃいけない」

「仕事なのか?」

「うん」

「帰るなよ・・・」
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