二藍蝶
「嫌だよ

 ヨリを戻そうなんて
 思ってない

 思ってないよ・・・」

俺の口をついて出た言葉

「なら、余計来るな」

勘違いするだろう

期待するだろう

やめてくれよ

「昔の女がのこのこ現れりゃ
 一回ぐらい遣らせてくれる
 そう、男なら思うだろう
 
 期待させんなよ」
 
俺は自分自身をあざ笑う。

何、女みてぇに期待してんだよ

おい、浬・・・

お前は、本当
情けねえ奴だな。

「ほらっ、分かったなら
 帰れよ」

「聞こえてる・・・
 分かったよ」
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