二藍蝶
そうだ

お前は利口な女だろう

早く、お前の居場所へ帰れ

「だったら、しよう」

俺の前で洋服を脱ぐお前から
躊躇する気持ちなど微塵も
感じない。

潔い、お前の姿に
この俺の方が戸惑う。

「冗談は寄せ・・・」

「抱いてよ、カイリ」

「馬鹿なことはやめろ」

無理してんだろう

俺が挑発するようなことを
言ったりしたから、お前は
後に引けなくなってるだけ
のことだ。

お前の瞳は、真っ直ぐに
この俺を見つめる。

違うのか・・・?

「いてぇ・・・」

俺の頬に、藍が投げた
洋服があたった。
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