二藍蝶
振り替える彼女に
つられて、俺も振り返る。

彼女と同じ制服を着た
華奢な背中が改札口を
抜けて行く。

その子の鞄には
ピンク色の大きな花飾り
が付いていた。

俺の隣で、彼女は叫ぶ。

「アイ、バイバイ・・・」

『アイ』

あの娘の名前?

振り返って

こっちを見ろよ。

俺を見ろ。

・・・振り返らない。

「私の声
 
 聞こえなかったみたい」

「ダチ、可愛いの?」
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