二藍蝶
翌朝、カーテンの隙間から
眩い光が洩れる。

誰かがカーテンを閉める音

光は、遮られる。

眠る浬の頬にキスを
ひとつ落とした藍は
ドアに手をかけた。

音を立てないように
ゆっくりと開かれるドア。

「藍、仕事
 もう、そんな時間?」

「うん
 9時を周ったところ
 
 朝ご飯、食べてね
 
 じゃあ、行って来ます」

「藍、待って
 仕事、何時に終わる?
  
 迎えに行ってやる」

目を擦りながら起き上がる浬

「いいよ
 昨日の今日だよ
 
 カイリも仕事・・・
 大変な時でしょう?」
< 709 / 918 >

この作品をシェア

pagetop